カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス生活の日記だったけど、今は大阪にいます。

LA下町格差雑感

 今日はダウンタウン(街の中心部)に用があって出かけた。

 日系人街のリトル・トーキョーで博多ラーメンを食って、目的地のギャラリーはそこから南に2kmくらいだったので歩いてみた。

 いちばん荒れている場所は避けたつもりだったが、かなり殺伐としている。週末の夕方で商店がシャッターを下ろしているので尚更だ。そこらじゅうの路上生活者に視線をやらないように足早に歩く自分は、一体何なのかという気がしてくる。

 スラムというとちょっと違う気がするが、日本のシャッター通りを30年放ったらかして、おまけにホームレスを30倍にしたようなこの地域は、かなり人をびびらせる雰囲気を持っている。周辺ではおしゃれなカフェやアートスペース、マリファナ屋などがちらほらとジェントリフィケーションの契機をうかがっているが、スキッド・ロウという悪名高い中心区画は、まだまだ半端な気持ちでは足を踏み入れられない。

 本当に具体的に危険だった90年代に比べるとかなり状況は変わっているらしい。社会福祉運動のセンターとして機能し始めているという話もある。地理的には一等地であって、いろいろなデベロッパーが鵜の目鷹の目で狙っていることは間違いないので、永遠にこのままということもないのだろう。「変化」が起きるとき、路上の人々はどこに行くのだろうか。