日曜午後のメモ
リトルトーキョー、交差点に面したカフェ。
窓際のスツールに座っている。
ブレンドコーヒーは酸っぱくて、甘栗のような後味。
テーブルの上には考えのまとまらないノート。
箇条書きと、因果関係の曖昧な矢印が散らばっている。
黒のロングドレスの女性がカフェオレを四つテイクアウト。深いスリットがまぶしい。
かっこいいスニーカーを履いたおじさんが二人、手をつないで入ってくる。おそろいの半ズボン。
奥のソファの夫婦はペーパーバックに眼を落としたまま、微動だにしない。
ガラス窓の向こうでは、ローラースルーゴーゴーを駆る幼女。
痩せた店員はカウンターの中でカーペンターズを口ずさんでいる。
隣のテーブルではさっきから若いカップルが私の知らない言葉で語り合っている。
考えは相変わらずまとまらないが、紙に書き出してみると、何が結論の妨げになっているかは明白だ。
やるべきことに星印をつけて、何かひとつ進んだ気になり。
さっきガムを踏んだ靴底がうっとうしい。