カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス駐在の日記です。2017年10月から

デスバレー国立公園:④デスバレー国立公園

デスバレーに行った話を書くよ…と予告したまま2ヶ月放置していたら、知人から突然「続きは?」と言われたので、慌てて更新。

記憶も薄れているので手短に。

デスバレーは何もない死の土地と言われればその通り、どこまでもf:id:spimnida:20171125014307j:plainどこまでも、なにもない。

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どこまでも(Zabriskie Point、水の侵食が作り出した奇景)

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どこまでもf:id:spimnida:20171125051840j:plain

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f:id:spimnida:20171125085202j:plainどこまでも(Mesuquite Flat Sand Dunes、ザ・砂丘

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どこまでも(Devil's Golf Course、耳を澄ますと熱膨張する塩の結晶がキンキン言っている)

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どこまでも(Artist's Palette、色とりどりの鉱物が露出)

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どこまでも(Badwater Basin、氷河が削った古代湖の底、現在は塩の平原、北米最低地点海抜マイナス86m)

 

 

そう、どこまでも何もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいやいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなにいろいろあるとは。

 

 

 

 

 

予想外だった。「砂漠」とはこんなに厳しくも豊かな表情を持つものなのか。「デスバレーは砂漠」というとき「砂漠」と一言でいっても、その中には「土漠」や「岩石砂漠」や、山・谷その他いろいろがてんこ盛りになっているのだった。地面を覆う大きな植物がないので、あらゆる地形がむき出しだ。プレート境界の激しい隆起の力と、風雨や氷河による侵食の力と、まさに天地がせめぎ合う様が一望できる。神話の中に放り込まれたような錯覚におそわれた。夜は夜で、都市の光害が極めて少ない星空に言葉を失った。

 

 

さらに、一番感動したポイントはここ、Salt Creek。

f:id:spimnida:20171125074856j:plain湿地まであるのかよ!

もうもうと土煙をあげて車を走らせていると、忽然と現れる緑に囲まれたせせらぎ。湿地といっても非常に塩分濃度が高く、降り注ぐ太陽光線も尋常ではない。ここではその環境に適応した限られた生物しか生きられないのだが、それでも一日じゅう砂の中を走り回った後では、そうした生き物たちがまさに輝いて見えた。

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まさかこんな熱と砂と塩の中で、赤とんぼや糸とんぼ、狩人バチに会えるとは想像もしなかった。この他、写真には撮れなかったけど、温かい塩水の中には無数のミズムシ類(水生のカメムシの仲間)がひしめいていたし、情報によると、氷河時代の生き残りのpupfishという魚類まで生息しているらしい。

デスバレーにはこの湧水を維持する降水量はないと思われるので、どこかはるか遠くの山地からの伏流水がたまたまここに湧いているのだろう。そしてたまたま何千年も、魚の個体群が干上がって絶滅しない程度の流量が確保されているのだろう。なんというたまたまか。

 

この土地の厳しさと、そこに敢えて張り付いて暮らしている生き物たちの力強さには本当に圧倒された。

 

あと、ここに電線と水道を引いてゴルフ場とか作ってるアメリカ人も色々な意味で本当にすごい。

 

 

(デスバレーの話はこれでいったん終わり)