カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス駐在の日記です。2017年10月から

アメリカの銃問題について、数字メモ

 またローカルラジオで聞いた話から。

 今日は、どこだかで学校を新しく建てているという話。広報担当だかの男の人が招かれて、保護者の動きや建物の特徴についてしゃべっている様子。ほのぼのとした話題かと思いきや、おそろしくアメリカ的だった。

 

学校の人「新しい建物は光をよく取り入れるデザインでですね…」

ラジオ司会「ガラス窓が多いと、保護者は心配するんじゃないですか?」

学校「ええ、全部防弾というわけにはいかないのですが、要所要所に身を隠せる場所をたくさん設置しています。シェルターが作れない地点は、非常口を作ってすぐに外に逃げられるようにする予定です。最高レベルのセキュリティが実現されるはずです」

司会「なるほど、監視カメラはどうですか?」

学校「ええ、カメラも最新のものを充分に設置することになっています」

 

 

 …うーむ。

 この国では、学校を建てるときに「敷地内で銃を撃ちまくる人物」を前提としなければいけないのか。すごいな。私に言われるまでもなく、多くのアメリカ人が「これは狂っている」と考えて様々な行動に移しており、特に、銃口を向けられるまさに当事者の高校生の運動はよく報道される。もちろん、未だ状況が改善するには至っていない。

 日本では「乱射事件」とよく言われて、連射による大量殺人がニュースになるが、もっと小規模の事件は日常茶飯事である。英語では規模の大小ひっくるめて端的に「School Shooting」と呼ばれる。特に大規模な場合はMass Shootingという言い方もされる。

 件数の数え方はいろいろあるようだが、5月25日のCNNのまとめによると、今年に入ってからすでに23件、学校(幼稚園から大学まで)での発砲事件が起きている。週1回のペースである。しかもこれは実際に人が撃たれた事件だけの集計なので、誰も怪我をしなかったケースを含めれば数字はもっと膨らむ。銃規制に取り組むNPOの取りまとめでは、これも5月25日時点で、46件とされている。

 同じNPOEverytown for Gun Safety)は、全米において、「学校のみならず家庭やその他の場面で、年間300万人の子供が銃による暴力を目撃している」としている。ここで言う「子供」というのがどの年代を指すのか分からないが、仮に18歳未満と考えてみる。国勢調査で18歳未満の人口が7,300万人という数字があるので、300万人というとだいたいその4%である。犯罪率は全国一律ではないので、地域によっては4%よりずっと濃密に子供が銃に接しているはずだ。このことの「教育効果」には計り知れないものがあると思う。

 明日6月8日は、奇しくも17年前に日本の大教大附属池田小学校で無差別殺傷事件があった日ということだ。当時子供だった私にも、事件の前と後で「学校」という場の性質をがらっと変えてしまった大事件として記憶に残っているが、こちらではそのレベルの事件が毎年欠かさず複数回発生している。学校の建て方が変わってしまうことなど、当然の帰結なのかもしれない。

 

 最後に、このエントリのためにちょこちょこ検索していたら、今日アップされた以下の記事がヒットした。先月から話題になっていた「This is America」というワードが何なのか、追いつくことができて、自分の今日の関心にもタイムリーだったので、ここに貼り付ける。

 

gendai.ismedia.jp