カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス生活の日記だったけど、今は大阪にいます。

すごくおいしい頭スープ(鮭ver.)

 「魚の頭と白い野菜を塩味で煮ると美味い」という真理。

 金のない学生時代、深夜のスーパーで150円の鯛の頭がおつとめ品でさらに半額75円になっているのを見て、なんとかこれが食えないか…と考えた。それで、魚なら塩焼きが美味いけど、塩で焼いて美味いなら塩で煮ても美味いんじゃないか?と思いついた。「いきなり!黄金伝説」の1ヶ月1万円生活で三瓶が安いブロック肉でやたらスープを取っていたのも頭に残っていた。あと、「煮た白菜は無限に食える」という経験知もあった。

 それで75円の鯛の頭と、近所の八百屋で安かった白菜を買ってきて、適当に鍋で煮たら、思った以上、天に昇るおいしさだった。1食50円くらいの原価でそこらの美食をなぎ倒すメニューができてしまったので、その後もスーパーの鮮魚売り場に鯛のアラが出るたびに、こればっかり食っていた。人に食わせてもめちゃくちゃ好評だった。外国人の友達は目玉をほじくるのに抵抗を見せていたけど。

 鯛はウロコが頑強で、最初は包丁で四苦八苦して指が切り傷だらけになったが、あまりに頻繁に作るので途中でウロコ取り(↓)を導入した。釣りをするわけでもないのにこんなもん持っていた学生は他にいなかったのではないかと思う。

  そのうち、いろいろアレンジしたくなり、鯛をカジキマグロのアラにしたり、白菜を大根に替えたり実験したが、ことごとく成功した。そうして最大公約数的に導き出したのが冒頭の真理である。難しいことはない。美味いものが食べたければ、魚の頭と白い野菜を塩味で煮ればよいのだ。

 この間、このライフハックがロサンゼルスでも通用することを確かめたので、何かのご参考までに以下記す。

 

 

①鮭の頭と白菜*1を買ってくる。韓国スーパーか日系スーパーなら置いていると思う。今回は北海道料理の連想でシャケと合わないわけがないと思ってジャガイモも購入。あと、写ってないけど生姜は必須。

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②鮭の頭は湯引きする(熱湯かける)。めんどくさかったら省略してもいいかも。

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③野菜を適当に切る。大口開けてギリギリ入る、くらいが食べごたえあって良いと思う。細かいと魚の旨味と釣り合わない。生姜はよく香りが出る気がして千切りにしている。量はお好みで。ネギは冷蔵庫でしなびてたので入れたけど、白菜と生姜だけで完璧なので、なくても大丈夫。

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④鍋にぶち込んでひたひたの水で煮る。魚を先に煮て、後から白菜のほうがいいような気がするが、この写真は、逆になってますね。ま、最終的にどうやっても美味いのであまり気にせず。アク取りも適当で大丈夫。

 塩もここで投入。味見しながら適当に。思い切って入れないと味がしないけど、入れすぎるとしょっぱすぎて体に負担のかかるメシになってしまう。終始テキトー上等だけど、しいて言えば塩加減だけ注意が必要。

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⑤沸騰したら弱火で10分くらい煮て、火が通ったらできあがり。

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⑥ほっぺが落ちるほど美味い頬肉。鯛もそうだけど肉食の大型魚はアゴの筋肉のボリュームがすごい。なんとなく赤井英和さんが思い浮かぶ。

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 部位ごとに筋肉と骨がきれいに外れるので、構造の勉強にもなって一石二鳥。濃厚にダシの出たスープをがぶ飲みすると、生姜の効果もあって、汗ばむほど体が温まる。

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 丁寧に食べると、残るのはこれだけ。肉が多くて大満足。圧力鍋があればこの骨すらホロホロにして食べられると思う。

(水につけてるのは後でキレイにして観察しようと思ってるからで、フツーの人は捨てればOK)

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 繰り返しになるけど、野菜切って塩味で煮るだけで成功間違いなしなので、ぜひお試しください。魚の頭が値上がりしない程度で。

*1:白菜はNapaとかNappaという名前で売ってる。日系文化との関係、オモチロイ。