クレアモントの本屋
今日はクレアモントという町をうろうろした。ロサンゼルスから東へ車で1時間ほどの学園都市だ。(ピーター・ドラッカーも長くここで教えたそうな)
歩いて一回りできる市街地の中に、気軽な飲食店、古着屋、雑貨屋など、学生が好きそうなものがコンパクトに詰まっている。意外に新刊書店はない。学生・教員のニーズは購買部と図書館とAmazonで吸収されてしまうのだろうか。
地図でbookstoreと検索して出てきたのは、工場をリノベした商業施設の中にある古本屋The Claremont Forum。
入ってみると、本は寄付されたものが一律定額で売られていて(ハードカバーは○ドル、ペーパーバックは○ドルという感じ)、どうも営利目的の書店ではないようだった。帰宅してから調べてみると、地元で教育・芸術関係の活動をしているNPOによって運営されているらしい。たしかに店番の人もボランティアっぽいし、閲覧専用の非売品が並んでいたり。アート作品が壁にいっぱいかかっている中で、腰を据えて本を熟読している人や、棚の前であーだこーだおしゃべりする若者など、けっこう賑わっている。変わった本をディグる目的では少々食い足りない店かもしれないけど、コミュニティの結節点としては面白そうな取り組みだ。
一通りあたりを散歩して帰ろうと思ったら、もう1軒コミックの店があったので覗いてみた。基本的にはアメコミとそれにまつわる雑貨、アパレルの店なんだけど、日本の漫画もそれなりに食い込んでいる。AKIRAとドラゴンボールは別格の陳列をされているし、その他最近流行ったもの、往年の名作も店の一角に集められていた。
アメコミの教養は無に等しいのであまり物欲が刺激されなかったけど、好きな人にはたまらない店だと思う。内装が非常に洗練されているなあと思ったら、もう25年も地元密着で続いているビジネスなのだった。ロサンゼルスのダウンタウンにも支店があるそうなので、今度近くを通ったら寄ってみたい。
あとは、大きめのレコード屋があったのがポイント高い(写真撮らなかったけど味のある倉庫風の店舗)。今日び中古CDをまとめて物色できる店は非常に貴重になっているので、つい衝動に任せてあれこれ買ってしまった。映画「ジョーカー」で使われた曲とか、秋にフェスで知ったバンドのアルバムとか、私の一年を振り返るようなものをピックアップしつつ、豊富に並んでいるライブ盤もいくつか適当に。しばらくドライブが楽しくなりそう。
たまたま用事のついでに寄ったクレアモントは素敵な町だった。高等教育機関、映画館、美術館などなど揃っており、ぜんぶ歩いて回れるのが良い。ずっと住めるかというとちょっと刺激に欠けるかもしれないけど、期間を決めて学生やるには最高の場所ではないかという印象。
(今回お邪魔した店)
The Claremont Forum
586 W 1st St., Claremont, CA 91711
A Shop Called Quest Claremont
101 N Indian Hill Blvd., Claremont, CA 91711
Rhino Records
235 Yale Ave, Claremont, CA 91711