カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス生活の日記だったけど、今は大阪にいます。

休日

 起きたら昼過ぎでびっくりした。30過ぎてから長く寝られなくなったので、こんなのは珍しい。よっぽど疲れていたか。

 

 わけあって、プロではない書き手による2,000字くらいの原稿を50ほどまとめて読んだ。全てある一つのお題に沿って書かれたものなのに、ひとつひとつきわめてバラバラな文章になっている。読みながら、固有の人格に結びついた固有の文体というものの存在を強く感じた。うなるほど腑に落ちるのもあれば、のどに引っかかってなかなか呑み込めないのもある。いろいろな人間に会うのが面白いのと同じように、いろいろな文体に触れるのは面白い。

 ちょっとおかしかったのは、うまい文章を読むときに、自分の中に嫉妬がよぎること。素直な賛嘆の気持ちの底で、弱いけどたしかな対抗心がくすぶっている。もっとうまくなりたい、うまく見せたい、という欲望はだいぶ大人しくなったと思っていたけど、煽られればすぐに燃え上がるものらしい。

 なんにも熱がないよりはいいかなあ。

 

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Joshua Tree

 

 写真のフォルダを見ていたら、ジョシュアツリー国立公園に行ったときのことを思い出した。駐在員が帰国すれば、その国のことは忘れていくというが、地平線からやってくる夕闇の中で黙ってぬっと立っている異形の植物たちの姿は今でも鮮明に覚えている。そこの空気の冷たさも。