カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス生活の日記だったけど、今は大阪にいます。

週末日記 奥山雨山自然公園

 成人の日、天気がよいので布団から体を引き剥がしてハイキングに行った。

 もうお昼も過ぎてから、お茶とせんべいだけリュックに入れて、車で10分の自然公園へ。ここは泉南の沿海部から地面がグッとせり上がって山地が始まるところで、標高150mくらいのダム湖の周りに、2,3時間歩けるコースが何本か整備されている。おおむね自然林だけど、柿や桜が植わってたりで適度に人の手が入っており、親しみが持てる。昔は近郷の農民が雨乞いの場としていたそうで、雨山と呼ばれる小さなピークもある。

 林道脇に駐車して歩き始めると、地べたを這うツタのような草の中に、赤い果実が目につく。フユイチゴだ。冬に実をつけるベリー。きれいなのを1粒口に入れてみる。神経を集中するとかすかに香りと酸味が感じられるかなというくらいだけど、登りで汗をかいているときにはけっこう元気が出る。

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小動物の冬の食料なので、ほんの味見だけ

 

 少し登るとトイレが整備された広場に出る。春は桜がきれいだったっけと思い出していると、ピーピーという小さな声がする。半野生化したような傍らの柿の木に目をやると、やはりメジロだ。群れで盛んに柿の実をつついている。

 とくに珍しい鳥ではないのだけど、このきれいな緑色を目にするたびに、ちゃんと季節が巡っていることを知る。夏は茂みに隠れてほとんど見られないのだ。

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果物大好き

 

 短いコースなのですぐ尾根に出る。ちょっと驚いたことには、ぽつぽつとミツバツツジが咲いていた。日当たりがよいのでうっかり咲いちゃったという感じ。しかし日当たりがよいといっても、前の週は寒波で氷点下行ってたと思うんだが。不思議。

 ここの尾根道は急げばほんの数分で過ぎちゃうような短さながら、背の低いマツを主体にツツジやシダ類、灌木が茂り、土質は白く乾いていて、そこはかとなく南カリフォルニアを思い出すので好き。

 休日でも上の方にはあまり人が来ないので、晴れた日は本を持ってきて1時間でも2時間でも静かに過ごせて最高だ。あまり知られていないけど、南大阪の至宝スポットであると思う。

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本来は晩春から初夏の花

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あまり温かいのでしばらくTシャツ姿で日光浴

 

 日当たりの良い小ピークでぼんち揚をぼりぼりして瞑想していたら、だいぶ毒気が抜けた。成人の日はあんな式なんかやめて、こういうところで遠足すりゃいいのにとか適当なことを思いながら、ちゃちゃっと下り道へ。

 帰りはカラ類の混成軍に遭遇して、ヒヨドリコゲラも合わせてにぎやかなことこの上なかったけど、カラの中でもアイドル度の高いエナガに会えたのはちょっとうれしかった。わりと近くに来てくれたので、ピント合ってないけど望遠で写真を撮ることができた。

 あと、ジョウビタキのメス、通称「ジョビ子」も至近距離で観察することができた。こんな小さな体で大陸から渡ってくるんだからすごいよな。(あとで調べたら、日本国内での繁殖例も増えているらしい) 

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知性のある毛玉

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ジョビ子

 

 去年はほとんど山歩きをしなかったけど、今年はもうちょっとフットワーク軽くあちこち行ってみたい。