カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス生活の日記だったけど、今は大阪にいます。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【読んだ】谷崎潤一郎『春琴抄』

これまで谷崎潤一郎は教科書に載っていた『陰翳礼讃』くらいしか読んだことがなかった。去年たいへん面白く読んだ『日本語が亡びるとき』で水村美苗が日本近代文学の重要性をこれでもかと強調していたこともあり、積ん読にしていた『春琴抄』を読んでみた。…

パサデナ堪能(山、美術館、本屋、映画館)

充実した土曜日だった。盛り込みすぎて詳しく書けないけど、時系列順に以下の通り。 1.ハイキング〜Echo Mountain お世話になっている山歩きグループの皆さんと、ロサンゼルス近郊のEcho Mountain(968m)へ。一年ちょっとの間にこれで三回目のすぐ行けて…

【読んだ】小倉美惠子『オオカミの護符』

武蔵国出身者として非常に興味深い本だった。実家の土蔵に貼られた一枚の護符から、文書の記録や古老のインタビューを頼りに辿りに辿って関東一円の山岳信仰を掘り起こし、神秘と驚異相半ばしたニホンオオカミに向き合った先達の姿に思いを馳せるプロセスが…

外国語と体調

火曜日の食あたりから三日ほど、絶不調でダメにしてしまった。職場には一日で復帰したものの、頻繁にトイレに立つので集中できやしないし、時差ボケの調整も大失敗なので眠いこと眠いこと。新学期のスタートダッシュを決めてライバルに差をつけるはずだった…

食あたりでダウンしてました

昨日未明から食中毒のような症状で、トイレと布団の往復を20時間ほど続けていた。ひたすら休んでいたらどうやらおさまってきたけど、まだ胃腸がキュルキュル動いて落ち着かない。話に聞くノロウイルスの症状ほどではなかったけど、一時は上からも下からも水…

【読んだ】隈研吾『自然な建築』

冒頭、「二十世紀はコンクリートの時代であった」と隈研吾は言う。部材の劣化や素材の性質を無視して、自由かつ安価かつ即時的に建築家のイメージを具現化できるコンクリート造という手法が、地縁・血縁、すなわち時間的なつながりから人々を切断していった…

2019年の抱負

昨日、日本からロサンゼルスに帰ってきた。年末年始は家族や友人と過ごすことができて、とても良かった。慌ただしくあちこち行っていて充分とは言えないまでも、大切な人たちとゆっくり話し、自分の来し方行く末を見つめ直すという、実に年末年始らしい時間…

2018年に読んだもの振り返り③(終)『宮本から君へ』

すでに2018年は終わってしまってマヌケだが、振り返りをもう一本だけ。 本をあまり読まなかったかわりに、マンガはかなり読んだ一年だった。食わず嫌いだったKindleを導入したのをきっかけに、300冊は読んだのではないかと思う。劇画狼さんの紹介を参考に読…