カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス駐在の日記です。2017年10月から

続・ダウンタウン散歩(アーツ・ディストリクト)

 前回の続き。土曜日にアーツ・ディストリクト(芸術地区)に出かけた。LAダウンタウンの東側、もともと倉庫街だったところにギャラリーやらセレクトショップやらイカした盛り場が入って、若い人が集まるようになっている。

 スキッド・ロウという全米最悪レベルにホームレスが集中した(させられた?)地区のすぐ隣なので、盛り上がっているとはいってもやはり全体的に薄汚れて殺伐とした空気が漂っている。それによる緊張感が一種の魅力になっていると思うが、日が暮れる前に帰りましょうねーという感じ。

 市街地西部の私の家からバスでここを目指すと、まさにスキッド・ロウを突っ切ってくる形になる。林立するテントの間から路上にふらふら出てくる人たちがいっぱいいて、バスのクラクションは鳴りっぱなし。なんとも言えず気が滅入る。

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この辺の絵はグラフィティではなく壁画(mural)と呼ばれているみたい

 バスを降り、気を取り直す。落ち込んでてもホームレスは救えないし。

 まずは地図上で適当に当たりをつけた「A+D Architecture and Design Museum」へ。ここは建築とデザインをテーマにした展示スペース。Museumと名乗っているけど入場料があるわけでなく、帰りに好きな金額(10ドル推奨)を投げ銭していくというスタイルになっている。

 倉庫を改装した建物で、近郊4大学の建築学部の合同展をやっていた。模型や図面、映像を使って大学院生のコンセプトを見せるような展示。良いとか悪いとか語る素養は持ち合わせてないけど、ロサンゼルスの都市の問題にこういう造形でアプローチしますといった説明はわかりやすく、へーなるほどと思った。あと本筋じゃないけど、シンプルな材木でかっこよく見せる展示什器のアイデアとかしげしげと見入ってしまった。こういうの見るとついつい予算とか制作の段取りとか分析してしまう。

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学生っぽい客が熱心に見ていた

 あとここで面白かったのは、建築系の雑誌や図録、Zineなどを読み耽ることのできる図書スペースがあったこと。この日は暑いしそんなに知識もないしで素通りしたけど、好きな人にはたまらないのではないかと思う。

 やっていたのはこの大学展だけじゃなかったのだけど、ほかはスタイリッシュすぎてなんのことだかよく分からず。そもそもの目的が「わけのわからないものを見て頭をリセットする」だったので、無事に目的達成ということで次へ。

 次は「A+D」のすぐ近くにある「Art Share L.A.」。ここはギャラリーとちょっとしたホールと講義室と、あとたぶんアーティスト向けのレジデンスも提供している複合施設だ。

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入り口でピアノ弾いてるおじさんがいると思ったら人形だった

  ここもふらっと入れる感じで良かった。LA近郊の若いアーティストをバックアップしている施設として、ギャラリーにかかっている作品も近くに住んでる人の絵ばかりだった。これ面白い、と思ったらたいていインスタのアカウント名が表示されているのでその場でフォローできる。この日はホールでなにかの稽古だか撮影だかをしていたけど、しょっちゅうイベントをやっているようなので、予定を調べてまた来たら面白いかもしれない。

 

 ということで「A+D」も「Art Share L.A.」も初めて行ってみたら、周りの環境も含めて発見があった。実はスプレー缶による壁画のどぎつい感じとか、あまり好きではなかったのだけど、あまり食わず嫌いするもんじゃないなと思った。こういうところは足を運ぶほどに景色が広がっていくもんだと思うので、また気が向いたらちょくちょく行ってみたい。さびれた工業地域の活用は同じアメリカのポートランドを筆頭に世界中で起きていることなので、そういう観点で他と比較するのも面白い。