カリフォルニアの本と虫

ロサンゼルス駐在の日記です。2017年10月から

【観た】ポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」

 「パラサイト 半地下の家族」を観てきた。まず言っておくと、すんごく面白かった。こないだ書いたポン・ジュノ特集でも上映されたのだが、監督本人が来るということで気づいたときにはチケットが売り切れだった。とはいえこれは新しい映画なので別に特集上映じゃなくても普通に市中の映画館でやっている。

 やっているどころか、すごい評判だ。映画の始まる前にスマホを確認したら「今年北米で公開された外国映画でNo. 1の動員」を達成したというニュースが入っていた。これはまだ最初の一ヶ月だけの数字で、まだまだ伸びるという。*1これは韓国映画としてはもちろん、ポン・ジュノ監督作品としてもぶっちぎりの歴史的ヒットである。さっき観てきたときもわりと席が埋まっていた。Twitterで「Parasite」と検索すると、英語でも絶賛の嵐だ。

 日本でも話題になってたと思ってたけど、日本でのロードショーは年明けから。ネットで見た口コミは試写会からのよう。カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した勢いで、アカデミー賞外国語映画賞も期待されている。

 内容については何を言ってもネタバレになってしまう。とにかくネタバレ情報を目に入れないうちに、公開されたら早く観たほうがよい。ポン・ジュノ監督がこれまで評価されてきた、大胆な構図、リアルな社会格差の描写、二転三転するストーリー、不安な笑いなど様々な要素が最大に研ぎ澄まされている。ソン・ガンホの「いつもは頼りないのにいざとなると良くも悪くも突き抜けるおじさん」の演技もいつも通り最高だ。他のキャストもソン・ガンホに負けず劣らずすごい。友人、知人にはぜひ観てほしい。

 

 とにかくこの半月でこの監督の映画は5本目だ。ひとつ特徴的だなと思っているのは、彼の作品におけるアメリカの存在感。「グエムル」は米軍が実際に起こした漢江の化学汚染事件から着想を得ているし、「殺人の追憶」ではアメリカにしかない最新テクノロジーが物語の鍵になっていた。この「パラサイト」でも詳しくは言えないけど、韓国社会におけるアメリカへの眼差しがさりげなく示唆され、作品のスパイスになっている。作品の外でも、「オクジャ」や「スノーピアサー」ではアメリカの制作陣とがっちり組んでいる。私自身コリアタウンに住まいを借りているということもあり、このへんの、フィクションおよびその制作過程に見る韓米関係というのは少し調べてみたいテーマだ。